
imacが起動しない、バックアップを取っていないデータを復旧して欲しい
東京都 N様
制作に使っていたマックがいきなり起動しなくなった。前日まで問題無く起動はしていた。アップルのサポートに相談し色々と操作をしてみたが、ブーブー音がするだけで改善せず、何も出来る事は無いと言われた。買い替えを考えている矢先だったのと、データ移行を考えてバックアップをとろうとしていたが作業中だったので後回しにしていた。急ぎのデータがあるので何とかデータを取り出して欲しい。
ロジックボード故障で起動不可、分解作業が必要でした。
お預かりして診断開始、電源投入後ビープ音が発生。メモリ等もチェックしたが以上無し。かなり扱いが難しい物なので分解せずに対処したいと考えましたが時間も無いので分解開始。まずは液晶パネルを取り外し。以前のiMacは吸盤などで脱着可能でしたが、液晶が圧着されているため、特殊なカッターで圧着部分を切断しないと液晶が外せません。液晶パネルが取り外せたので、予想通りホコリがたまっていたのでエアブロー。症状が変わらないので、SSDを取り外しデータ復旧を検討。
感電しないように放電
このimac、内部に電源ユニットがありますが、内部でむきだしなので感電しない様、まずは放電。実はこれがあるので通電を躊躇しましたがロジックボードの背面にSSDが設置されているので、中がほぼ空っぽに近い状態まで分解しないといけなく、最初から分解するかどうか悩みましたが時短の為に通電を試しましたがNG。電源ユニットには大型のコンデンサがあるので、放電しきるためには念の為に1日は開けないと危険です。放電後も念の為に感電しないように措置を行い分解。ようやくロジックボードを取り外せました。
一般的なSSDとの形状の違い
こちらがimacから取り出したSSDです

一般的なNVMEのSSD

両方を並べてみるとコネクタの形状が全く違います。

一般的なSSD、M.2のタイプでしたらアダプタも色々とありますが、Macになりますと、専用のドライブを利用している為にアダプタの入手も難しく高額になります。これは余談になりますが、MacのSSDをM.2に変換するアダプタを試してみましたが、全く認識しませんでした。
データ復旧作業開始。結果成功
検証用のMacに接続してみたらドライブが見られない状態でしたが、少々不安定ながら物理的に認識している事を確認。どうもファイルシステムに異常があり認識しないと判断。今度はいつものWindowsの検証機に接続。通常ならWindowsではMacのファイルシステムは見られませんが、検証機ではMacのHFS+ファイルシステムにも対応させてあります。接続後「フォーマットする必要があります、フォーマットしますか?」と表示。言い方が変ですが、すんなりとエラー表示されたので、早速急ぎの重要とお話を頂いていたファイルを確認。特殊なファイル形式の画像データでしたので、確認可能なソフトウェアを準備しインストール。無事表示を確認!お客様に確認したところ、間違い無く、このデータですとおっしゃられたのでデータを確保。他にもデータが多数ありましたので、こちらは別途復旧しお渡しするとの事で作業完了!











































内部は極めてシンプルでしたが、上部に樹脂で固められている箇所があり恐らくここに暗号化ユニットが搭載されていると判断。診断したところケーブルの断線で認識しないのではと考え、ケーブルを途中で切断し交換。何度かやり直しをしていると通電を確認。ここから先はパスワードを入れないと動作確認がとれないのですが、機密情報が入っている為にパスワードをお送りいただけなかったので、お客様先へ搬入し動作確認。結果全てのデータが読み込み可能となりました。


通常USBハードディスクはSATA形式のコネクタを変換アダプタを利用しUSBハードディスクとして使える様にしてありますが、CANVIOに利用されているTOSHIBA MQ01UBD100はハードディスクの基板上に直接コネクタが取り付けられていて、電源が入らない状態になっていると全くのお手上げになってしまう事が多々あります。まずは基盤を修復しUSB接続する様にしてから、データ復旧を行います。今回も無事を修復できたのでハードディスクから全てのデータを取り出す事ができました。

このポータブルハードディスクは東芝製でCANVIO CONNECT(キャンビオコネクト)と言い下記のシリーズがラインナップされている様です。









